飲食店の魅力

おすすめ飲食店や飲食の魅力を伝えます

時代の流れによる消費感の推移

 

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モノ消費

1980年代まではブランドもののアイテムや輸入車など、流行のものを所有することで他

人と差別化しようとする傾向が強く、他人より早く取り入れることで欲求を満たしてい

た。当時私はイタリアンレストランの支配人をしており、今では考えられないが「オリ

ーブオイル」や「チーズ」「生ハム」が日本に入りたてでそれをメニューに取り入れる

だけで驚くほど売れていた。「ルッコラ」もそうだ。イタリア旅行人気も後押ししてイ

タリア現地で体験した知識が伝わるレストランに行くことが優越感に浸っているようだ

った。ワインも食材も「日本で入手するのが困難なものです」をウリにすると集客出来

た時代だ。

 

 

コト消費

1990年台後半からはインターネットが普及して世の中の情報や商品があふれてきて「ほ

しいモノがない」「欲しいモノがわからない」と感じるようになってくる。

そこで飲食店は「美味しい料理」や「ドリンク」だけではなく、「夜景」をウリにする

ようにロケーションや内装にこだわった体験型、記念日でのサプライズをウリにするよ

うになった。体験したことをSNSにアップして「いいね」や「コメント」をもらうこと

の満足感が醍醐味でした。承認欲求。

・「トキ消費」

トキ消費

「トキ消費」を使い始めたのが博報堂生活総合研究所でした。

世の中が便利になり、何でも手に入るようになってきて疑似体験が出来るようになり、

だんだんと所有の欲求が無くなってきた。そこで今そこでしか体験できないが求められ

るようになりました。これを「トキ消費」といいます。コラボカフェやフェス、キャン

プ体験のバーベキューなどです。

以下のような特徴があるので参考にしていただきメニュー構成や企画に役立てていただきたい。

 

1、非再現性 「今を逃すと体験できない。」

これはレストランでは「希少食材」や他ジャンルの料理人とのコラボ企画やワインに提

案など考えられます。

2、参加性 「参加することが目的」

これはイベントやクラウドファンディングのような会員制のレストランは最近増えてき

ています。

3、貢献性 「貢献していることを実感する」

これはリピーターになってレストランスタッフに存在を認識してもらう。

お客様にレストランを紹介する。など

 

エモ消費

ここ1~2年はこの言葉が意味する消費動向が生まれてきている。

エモーショナルが語源とされているが「説明できないが満たされる」「なんかいい」

といった感じです。

便利な世の中で効率よく生きられるなかであえて手間やお金がかかることや不便なものを選ぶようになってきている。

カジュアル飲食店では「魚の丸焼き」や「骨ごとぶつ切りにした唐揚げ」など

食べづらいけど「旨い」はおもしろいのでは。

 

レストランでは30年以上前には高級店でサービスの一つとしてフランス語でディクパー

ジュ。つまりお客様の前で丸ごと調理した魚をさばいて取り分けたり、塊の肉を切り分

けたりするちょっとしたパフォーマンスをするレストランが「トキ消費」や「エモ消

費」に繋がるのでは。