なぜ、フツーの店が生き残るか!
日常で飲食店を利用する人は利用慣れしているので知らず知らずに飲食店を見る目が肥
えてきている。一般的なメニューの味は想像がついているので「凄くオイシイ」の表現
が少なくなって「オイシイ」または「ふつう」と言っている人は少なくはないだろう。
ここでの「ふつう」は間違いなく誉め言葉である。なぜならば食べなれているレベルの
高い人が「ふつう」と言っているのだから。
一般的には「凄くオイシイ」のではないだろうか。
よく飲食店の店主やレストランの料理長に話を聞く機会があるが、「お客様に提供する
料理は最高にいい状態で提供する」と口をそろえて言う。
有名ハンバーガー店の戦略
すこし話が逸れるが、20年以上前、あるいはもって前からかもしれない。
ファストフードの有名店の戦略で子どもから選ばれる店づくりをしている。
理由はファミリーでお出かけした時の主役は子供だ。
子供が喜ぶ場所を選ぶ。その選ばれる店にしていく。
それともう一つ、「おふくろの味」ってすこし離れると無性に懐かしくそして食べたく
なってくる。
子供のころから慣れ親しんだ味で味覚に刷り込まれている。
この刷り込みをファストフード店は進めていった。
すると当時子どもだったのが年齢を重ねて行ってもファストフード店が恋しくなる。
それをオイシイと潜在意識に刷り込まれているのだ。
つまり、飲食店利用回数が少ない頃は食べなれている味が好みなのだが、飲食店利用回
数が多くなると飲食店の味に慣れてきて普通だけど通うようになる。
居酒屋の利用が多いと居酒屋で使用する「だし」に慣れてくるのでそれが美味しくなる。ほかの食堂で同じ「だし」を使っているとその食堂は好みの店になる。
「味覚の慣れ」である。
より美味しくするための接客のコツ
慣れた味をワンランク上に引き上げるコツがある。
それは食事をする前のイメージをよくするだけ。
お客様が注文する前に、飲食店スタッフがお客様に少しだけ魔法をかけるのです。
「今日のサンマはとびきりいいのが入ったので少しランチで用意してます。
限定なのでぜひ!」
なんとなくテンションが上がるし得した気分になりますよね。
人間には「五感」があります。その五感を決定するのは「脳」ですね。
脳にこのメニューはおいしいと思い込ませると美味しく感じるそうです。
実験の結果が出ているそうです。
言葉でなければ、メニュー名でイメージは変わります。
『豚の生姜焼き』を(〇〇豚を低温でじっくりと火を入れて風味豊かな高知の黄金ショウガで仕上げています)のような説明が入ると一味も二味もレベルが上がります。
高級レストランで料理説明をしてくれているのは脳にとびきりオイシイ料理が目の前にあることをイメージさせる目的です。
スタッフは美味しそうに伝えることが大切ですが説明が上手くないとそれを聞いて
美味しそうに感じないこともある。きめ細かいサービスが出来ていないので再来店され
ないかもです。
オイシイ料理をさらに美味しく唯一無二に仕上げるのは接客の大切な仕事。
元々料理人が調理したものなのでオイシイはずです。
さらにレベルを上げて楽しい食事時間にしてあげて他店との差別化を図ることが大切で
す。
まとめ
オイシイ料理を出していれば通用したのは高度経済成長から1980年代ぐらいまでです。
それはマズイ店が本当にあったからオイシイ店に人が集まっていた。
今は、情報過多です。お客様は様々な知識と経験があります。
そしてライバル店も星の数ほどあります。
さらにコンビニやファストフード店は企業が味を追求した商品開発で美味しいものが世の中にあふれています。
ライバル店との戦いだけではなくコロナによる不況との戦いもあってより厳しい環境になっています。
だからこそ、お客様をしあわせにする楽しい店にしていきましょう!
来店されたお客様に感動してもらうのはクーポンではないですよね。
常にお客様に「何かしてあげたい」を念頭に置いているとその想いがお客様に伝わるのとあなたが何をするべきかがわかってきます。
お客様の脳に「オイシイ店」「楽しい店」「安心できる店」を刷り込みましょう!
お客様の最高の誉め言葉の「ふつう」をいただきましょう!
必ずリピーターになってくれますよ。